食後や夜にも飲みやすいハーブティー。ほとんどはノンカフェインですが、マテや紅茶・緑茶を混ぜたブレンドには含まれます。含むもの・含まないもの、表示の見分け方、夕方からの切り替え方、妊娠中・授乳中の目安まで。

こんにちは、ハーブティープロデューサーの逸見です。ハーブティーを中心に、これまで携わった商品は100品を超えます。その中でお客さまから特によく聞かれるのが、「これはノンカフェインですか?」という質問です。答えは「ほとんどはノンカフェイン。でも、例外もある」です。

ハーブティーの多くはカフェインゼロ

結論から言うと、ほとんどのハーブティーにカフェインは入っていません。カフェインを含む植物は意外と少なく、代表はコーヒー豆、紅茶や緑茶の茶葉(チャノキ)、カカオ豆、マテ、ガラナなどです。

カモミールやルイボス、ローズヒップ、ペパーミントといった定番のハーブには、どれもカフェインは含まれていません。

バラのつぼみやラベンダー、レモングラスなどを合わせた乾燥ハーブのブレンド

Photo: Anna Pou / Pexels

例外は南米生まれのマテ

「ハーブティーだから大丈夫」と思って手に取りやすいのが、マテです。南米原産の植物の葉で、アルゼンチンやウルグアイ、パラグアイ、ブラジル南部では毎日の飲みものです。現地ではひょうたんや木の器に葉を入れ、金属のストローで飲む光景もおなじみです。

乾燥させただけの「グリーン」は緑茶に近い味と香り、焙煎した「ロースト」は香ばしい味わいといわれます。葉に含まれるカフェインは1.7〜2.0%ほどで、緑茶の6割前後という報告もあります。少なめとはいえ、ゼロではありません。

ほかにガラナやカカオもカフェインを含む植物です。カカオの殻(カカオハスク)はチョコレートのような香りづけとしてハーブとブレンドされることがあります。

細かいマテの葉が入った木の器を手に持ち、金属のストローを差したところ

Photo: Los Muertos Crew / Pexels

気をつけたいのは「お茶入り」のブレンド

ハーブティーの売り場に並んでいても、中身はお茶(チャノキ)がベース、ということはよくあります。たとえば次のようなものです。

  • ジャスミン茶(緑茶などにジャスミンの花の香りを移したもの)
  • アールグレイなど、紅茶ベースのフレーバーティー
  • 緑茶や白茶にハーブを合わせたブレンド
  • チャイ(紅茶にスパイスを合わせたもの)
  • マテやカカオの殻が入ったブレンド

私がブレンドを作るときも、紅茶や緑茶、マテを合わせることがあります。名前や見た目だけではカフェインが入っているかどうか分かりにくいものです。

ガラスの瓶に入ったよじれた緑茶の茶葉と木のスプーン

Photo: Anna Pou / Pexels

裏の原材料名で「茶」の文字を探す

いちばん確かなのはパッケージの裏の原材料名を見ることです。「紅茶」「緑茶」「白茶」「茶葉」に加えて、「マテ」「カカオ」の文字も目印になります。

最近のハーブティーは表に「ノンカフェイン」「カフェインゼロ」と書いてあるものがほとんどです。まずはそこを見て、迷ったら裏の原材料名を確かめてください。1杯あたりのカフェインの量を表示している商品もあります。

木のまな板の上で、乾燥ハーブを詰めたティーバッグを手に取るところ

Photo: Anna Pou / Pexels

意外と見落とすほうじ茶と玄米茶のカフェイン

香ばしく口あたりも軽やかなので、カフェインがなさそうに見えて、実は入っているのがほうじ茶です。緑茶の茶葉を焙じたものなので、緑茶と同じようにカフェインを含みます。

玄米茶も、名前から「玄米だけのお茶」と思われがちです。実際は炒った玄米に番茶や煎茶をほぼ同じ量だけ合わせたもので、緑茶が入っているぶん、カフェインも含まれます。麦茶のように穀物だけで作るお茶とは別ものです。

身近な飲みものに含まれるカフェインの量は100mLあたりで次のとおりです。

  • 玉露:160mg
  • コーヒー:60mg
  • 紅茶:30mg
  • せん茶・ほうじ茶・ウーロン茶:20mg
  • 玄米茶:10mg(玄米が半分を占めるぶん、少なめ)
  • 麦茶・そば茶、カフェインを含まないハーブティー:0mg

※農林水産省・食品安全委員会の資料より。量は淹れ方で変わります(それぞれ決まった条件で淹れたときの値です)。

健康な大人のカフェインの目安は1日400mgまでとされています。コーヒーはカップ1杯(200mL)で約120mgなので、3杯と少しです。

「ノンカフェイン」と「カフェインレス」は別もの

パッケージでよく見る2つの言葉。似ていますが、意味は違います。もともと含まないのか、あとから取り除いたのか、という違いです。

  • ノンカフェイン(カフェインフリー):原料にもともとカフェインを含まないもの。多くのハーブティーや麦茶など
  • カフェインレス・デカフェ:カフェインを含む原料からカフェインを取り除いたもの

コーヒーの場合、カフェインを90%以上取り除いたものを「カフェインレスコーヒー」と呼ぶ決まりがあります。取り除いたものはゼロではなく、「少ない」と考えておくと安心です。

白い小鉢に入った数種類の乾燥ハーブと、ハーブを詰めたティーバッグ

Photo: Anna Pou / Pexels

夕方からはカフェインのない一杯へ

朝はコーヒー、昼は紅茶、夕方からはカフェインのない飲みもの、という飲み分けがおすすめです。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」も、夕方以降はカフェインを含む飲みものを控えるよう勧めています。

私自身も、コーヒーは朝から昼ごろまでにして、夕方以降は飲まないようにしています。

体の中でカフェインが半分に減るまでの時間(半減期)は日本人で3〜7時間と、人によって差があります。24時に寝る人なら、半減期が長い人(7時間)でも、寝るまでに半分まで減らすには17時ごろまでに飲み終えておきたい計算です。それでも、寝る時点で半分は体に残っています。

同じガイドではお茶の葉(チャノキ)を使っていない麦茶、そば茶、黒豆茶、とうもろこし茶、カフェインを含まないハーブティーへの置き換えも挙げられています。

どれが合うかは好みによって大きく違います。酸味のあるもの、甘い香りのもの、すっとした清涼感のあるもの、香ばしいものなど、気になる味から試してみてください。ルイボスはミルクと合わせるとチャイ風に、たんぽぽの根(ダンデライオン)は煎ってから淹れると香ばしい一杯になります。ハーブごとの味はハーブ図鑑で紹介しています。

日の当たるテーブルに置いた、ハーブティーの入ったガラスのティーポット

Photo: Anna Pou / Pexels

妊娠中・授乳中は目安の量を知っておく

日本ではカフェインの摂取量について明確な基準は示されていません。食品安全委員会はカフェインをゼロにする必要はないものの、妊娠中はいつも以上に摂りすぎに注意するよう呼びかけています。

海外の機関では妊娠中の1日の目安を200〜300mgとしています(世界保健機関・カナダ保健省は300mg、欧州食品安全機関は200mg)。授乳中も200〜300mgを目安とする国があります。

コーヒーはカップ1杯(200mL)で約120mg。200mgならおよそ1杯半、300mgならおよそ2杯半です。紅茶や緑茶、ほうじ茶、チョコレートにも含まれるので、1日の合計で考えるのがポイントです。気になる方は医師や薬剤師に相談してください。

カフェインとは上手につきあう

カフェインは体に悪いものではありません。ただ、とる量やタイミング、そのときの体の状態によっては、おすすめできないこともあります。

朝はコーヒーや紅茶、夕方からはハーブティー。時間帯に合わせて選びながら、どちらも適度に楽しんでください。

ガラスのティーポットのふたを持ち上げる手元と、ハーブティーを注いだ小さなグラス

Photo: Anna Pou / Pexels

参考:内閣府 食品安全委員会「食品中のカフェイン」「お母さんになるあなたと周りの人たちへ」/農林水産省「カフェインの過剰摂取について」/厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」/全国清涼飲料連合会「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約及び施行規則」/西口慶一(2011)マテ茶に含まれるポリフェノール、カテキン、およびカフェインについて/伊藤園「お茶百科」/佐々木薫『ハーブティー事典 改訂版』

逸見 伶(ハーブティープロデューサー/my herb 代表/シニアティーウェリスト)
この記事の執筆・監修

逸見 伶(へんみ れい)

ハーブティープロデューサー/my herb 代表/シニアティーウェリスト

原料選びからブレンド設計、商品化までを手がけるハーブティープロデューサー。これまでに携わった商品は100品超。

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