ハーブティーとはどんなお茶なのか。紅茶・緑茶との違い、カフェインの有無、植物ごとの味と香りの幅、はじめの一杯の選び方まで、ハーブティープロデューサーが基本をまとめました。
こんにちは、ハーブティープロデューサーの逸見です。ハーブティーの商品づくりをしていると、「ハーブティーってノンカフェインですよね?」とよく聞かれます。答えは「多くはそう。ただし例外もある」。ハーブティーという言葉が、ひとつの植物を指していないからです。
ハーブティーは花や葉や実を湯で抽出した飲みもの
ハーブティーは乾燥させた植物をお湯や水で抽出した飲みもの。紅茶や緑茶の原料になるチャノキ以外の植物を使います。部位も植物ごとに違い、カモミールは花、ペパーミントは葉、ジンジャーは根茎(地下茎)、ローズヒップは果実です。
花をそのまま乾燥させたものもあれば、葉や茎を細かくカットしたものもあります。袋を開けたときの見た目が大きく違うのはそのためです。

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「ハーブ」は暮らしのそばにあった植物
「ハーブ(herb)」は日本語では「香草」などと訳されます。料理の香りづけやお茶として親しまれる一方、植物を煎じたりお湯に浸したりする文化は、世界のさまざまな地域で受け継がれてきました。
ただし、昔から使われてきたことと、現代の医学で効果が確かめられていることは別のもの。TEA & DAYSでは、歴史や文化としての使われ方と科学的な情報を分けて扱います。
紅茶・緑茶・烏龍茶はどれもチャノキのお茶
緑茶と紅茶は色も香りもずいぶん違いますが、どちらもチャノキ(学名:Camellia sinensis)の葉から作られています。烏龍茶も同じ仲間です。
違いを生むのは品種や産地、栽培方法に加えて摘んだあとの加工です。茶葉の酸化を抑えて仕上げるのが緑茶、途中まで酸化させるのが烏龍茶、十分に酸化させるのが紅茶。この工程の違いが、香りや水色(すいしょく=お茶の色)、口に含んだときの印象の差になります。
ほうじ茶にカフェインが入っていることを知らない人も意外と多いのですが、ほうじ茶は緑茶を焙じたお茶。もとはチャノキなので、100mLあたり約20mgのカフェインを含みます。煎茶も同じく約20mg、紅茶は約30mgです。

ハーブティーの多くはカフェインを含まない
チャノキを使わないハーブティーの多くは、カフェインを含みません。冒頭の質問への答えが「多くはそう」になる理由です。
例外は南米のマテのようにカフェインを含むハーブと、紅茶や緑茶を合わせたブレンドです。私がブレンドを作るときも、紅茶や緑茶、マテを使うことがあります。「ハーブティー」と書かれていても、必ずノンカフェインとは限らないということです。
カフェインを避けたいときは、パッケージ裏の原材料名で紅茶や緑茶などのお茶が入っていないかを確かめるのがいちばん確実です。最近は「カフェインゼロ」「ノンカフェイン」とはっきり書いた商品も多く、目印になります。くわしくはハーブティーにカフェインはある?の記事にまとめています。

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植物が変われば味も香りも水色も変わる
ハーブティーのおもしろさは、植物ごとに香りも味も水色も大きく変わること。ペパーミントは口に含む前から清涼感のある香りが立ち、ハイビスカスは鮮やかな赤色ではっきりした酸味があります。カモミールはりんごを思わせる甘い香り、レモングラスはレモンに似た爽やかな香りです。
見た目も、カモミールの淡い黄色からルイボスの赤褐色、ハイビスカスの赤まで幅があります。「ハーブティーはどんな味?」にひとことで答えられないのは、植物の数だけ味と香りがあるからです。
イメージと実物が違うこともあります。ローズヒップティーと聞くと、赤くて酸っぱいお茶を思い浮かべる人が多いもの。けれど、その赤い色と酸味の多くは一緒にブレンドされるハイビスカスによるものです。ローズヒップだけで淹れると水色は淡い黄色で、酸味もおだやか(ローズヒップの図鑑)。
香りの強さと味の濃さは別のもの
カップに近づけたときの香りがはっきりしていても、口に含むと軽やかなものがあります。反対に、香りはおだやかでも酸味や渋みが長く残るものもあります。水色が濃いから味も濃い、とは限らないもの。
飲むときは最初の香り、口に含んだときの味、飲み込んだあとの余韻を分けて感じてみると、その一杯の輪郭がつかみやすくなります。

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まず知っておきたい5つのハーブティー
名前をすべて覚える必要はありません。売り場でよく見かける5つを知っておくだけでも、香りや味を想像しやすくなります。
カモミール
小さな花を使うハーブティーで、りんごを思わせる甘い香りがあります。水色は淡い黄色で、香りの印象に比べると味はやさしく感じられます。
ペパーミント
葉を使うハーブティー。すっと鼻に抜ける香りがあり、飲んだあとにも清涼感が残ります。
レモングラス
レモンに似た香りがしますが、柑橘ではなくイネ科の植物の葉です。水色は淡い黄緑色で、酸味はほとんどありません。
ハイビスカス
鮮やかな赤色と、はっきりした酸味が特徴です。ローズヒップと合わせたブレンドは「ローズヒップティー」として広く親しまれています。
ルイボス
南アフリカの限られた山地で育つ植物から作られるお茶。水色は赤褐色で、ほんのり甘く香ばしい味わいです。
カモミール・レモングラス・ルイボスは、ハーブ図鑑で淹れ方や合わせやすいハーブも紹介しています。ほかのハーブまで広げて知りたいときは、ハーブティーの種類と効果は? 味と香りで選ぶ30種もどうぞ。

はじめの一杯は香りと味で選ぶ
選ぶときはなにより香りと味を手がかりにします。爽やかな香りが好きならミントやレモングラス、酸味のある飲みものが好きならハイビスカス入り、甘い香りが好きならカモミールから試してみてください。
原材料表示を見ると、ひとつの植物だけのシングルハーブか、複数の植物を合わせたブレンドティーかが分かります。シングルハーブはその植物の個性をつかみやすい一方、原料によってはクセを強く感じることも。ブレンドティーは香りや味のバランスを考えて組み立てられたものが多く、最初の一杯にも選びやすいお茶です。
具体的な候補ははじめてのハーブティーは何を選ぶ?で紹介しています。

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一杯で決めずに飲み比べてみる
ハーブティーは原料の産地や収穫時期、カットの大きさ、ブレンドの内容によっても印象が変わります。ひとつ飲んで好みに合わなくても、「ハーブティーは苦手」と決めてしまうのはもったいないこと。
酸味、清涼感、甘い香り、香ばしさなど、方向の違う2〜3種類を飲み比べると、自分が心地よく感じる香りや味が見えてきます。「香りは好き」「酸味はもう少しおだやかなほうがいい」と言葉にしておくと、次の一杯を選ぶ手がかりになります。

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参考:作山若子『喫茶手帳』(東京書籍)/佐々木薫『ハーブティー事典 改訂版』(池田書店)/農林水産省「カフェインの過剰摂取について」





